一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境省検討会が企業の社会的責任に関する報告書を作成
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2005.08.12 【情報源】環境省/2005.08.11 発表
企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:CSR)に取組む企業、監査法人、NGOの若手実務担当者らから構成される環境省の研究会が、CSRの観点から見て、企業が環境保全への取組みをどのように進めていけばよいのか方向性を示す報告書を、平成17年8月11日までにまとめた。CSRは環境保全のほか、消費者保護、公正な労働基準、人権、安全衛生、地域社会貢献など、企業による幅広い要素への取り組むを含む概念。
近年、従来の環境報告書を、環境問題とそれ以外の社会的問題への対応を総合的に紹介する「CSRレポート」や「サステナビリティレポート」としてまとめる企業が増えており、CSRについての企業内外の関心が高まってきている。
今回の報告書はCSRを「企業が、政府、市民など社会を構成するさまざまな主体に及ぼす自身の影響を把握し、これを考慮に入れて行動することであり、企業と影響を受ける各主体との間のコミュニケーションに重点をおかれる」と定義を整理。また日本企業のCSRの取組みで、環境分野への取組みは重要な地位を占めるという認識も共有された。
報告書は続いて、企業が政府、市民とCSRにもとづく新しい関係性を構築していくために、特に「各主体の対等性」、「企業の取組みの自主性」、「関係情報の公開性」が重要であると指摘。
さらに先進的事例を踏まえて、今後の取組みのポイントとして、(1)中小企業での取組みの推進、(2)企業、NPO、消費者団体など各主体間の連携、(3)CSRに取り組む企業が評価される仕組みの構築、(4)日本がアジアでCSR推進の核となるよう努めること−−が必要だとまとめている。
なお環境省は、報告書の公表と同時に、報告書で指摘された「各主体間のコミュニケーション促進」のため、CSRをテーマにした企業・NPO間の意見交換会などの開催、企業のCSRに基づく取組みの顕彰、企業の社会貢献事業データベースの構築と情報発信、社会的責任投資(SRI)に関する投資者への働きかけ−−に取組む方針をあきらかにした。【環境省】