一般財団法人環境イノベーション情報機構
化学物質の環境リスク評価 第4次取りまとめ分の結果を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.08.09 【情報源】環境省/2005.08.09 発表
環境省は平成14〜16年度に続き、行政施策上リスク管理の優先度が高いと考えられる化学物質を対象に、環境リスク評価を実施し、その結果を中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会の審議を経て、第4次取りまとめ分として公表した。化学物質の環境リスク評価は、評価対象とする化学物質の(1)人の健康や生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)−反応(影響)関係を整理する「有害性評価」、(2)その物質の人や生態系に対する環境経由の暴露量を見積もる「暴露評価」−−の2種類の評価を行い、双方の結果を比較し、総合的なリスクの程度を判定するもの。
また本格的な環境リスク評価は、(一)多数の化学物質の中から環境リスクが高い物質を絞り込む「初期評価」を実施した上で、(二)有害性・暴露に関する知見を充実させ、環境リスクの低減方策を検討する「詳細評価」を行うことが想定されている。
今回の評価では、20物質について人の健康・生態系両面についての初期評価を、9物質について生態系のみに対する初期評価を実施。
その結果、健康・生態系両面についての初期評価を実施した20物質のうち、1−ブタノールが健康リスク面で、ニトリロ三酢酸が生態系へのリスク面で詳細評価候補と判定された。一方、生態系のみに対する初期評価を実施した9物質の中では、詳細評価候補と判定された物質はなかった。
環境省では、1−ブタノールについては室内空気の吸入によるリスクが高い可能性があるとして、今回の評価結果を室内空気についての関係機関に連絡し、その対応を見守る方針。一方、ニトリロ三酢酸については、初期評価によって得られた知見を、水生生物保全に関する水質環境基準の追加設定に向けた検討に反映させていくとしている。【環境省】