一般財団法人環境イノベーション情報機構
魚介類中メチル水銀の食品健康影響評価結果についてQ&Aを掲載
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.08.08 【情報源】内閣府/2005.08.05 発表
内閣府食品安全委員会は平成17年8月5日、同委員会ウエッブページに、魚介類などに含まれるメチル水銀に関する食品健康影響評価についてのQ&Aを掲載した。魚介類に含まれるメチル水銀に関する食品健康影響評価は、厚生労働省が15年に策定した、魚介類を通じてのメチル水銀摂取に関する妊婦向け「注意事項」を見直すために、メチル水銀の1日耐用摂取量(TDI(注1))の設定を目的に平成17年8月4日までにまとめられ、厚生労働大臣に通知されたもの。
日本を含む各国や、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議が過去に実施したリスク評価結果も踏まえつつ、魚食の多い地域で胎児期の水銀曝露状況と子どもの発達状況の関連性を研究したセイシェル共和国、フェロー諸島の疫学調査に基づいて評価を行い、胎児のメチル水銀耐容週間摂取量を週、体重1キログラムあたり2.0マイクログラムとする結論を導き出している。
Q&Aはこの内容を踏まえ、「フェロー諸島やセイシェル共和国での調査に基づいて評価した理由」、「食品中に含まれるPCBなど他の汚染物質と一緒に摂取した場合の複合リスクの考慮度」などについて説明している。
前者については、「新たに日本人集団を対象にした調査を行うと、成果を出すのに少なくとも今後10年かかるため、現時点で得られている知見としてフェロー諸島やセイシェル共和国での調査結果を利用した」、後者については「他の汚染物質と複合的した影響は知見が少なく、今回は評価できなかったが、知見が集積した時点で再評価が検討されると考える」としている。
(注1)人が生涯継続して摂取しつづけても影響が出ないと判断される1日、体重1キログラムあたりの最大摂取量。食品添加物や食品残留農薬のように食品中に意図的に使用された物質に対しては、許容一日摂取量(ADI)という単位が使われるが、人が非意図的に摂取している有害物質については、TDIが使われる。【内閣府 食品安全委員会】