一般財団法人環境イノベーション情報機構
政府が5つのアスベスト対策示す 保健所で健康相談受付へ
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.07.13 【情報源】環境省/2005.07.12 発表
過去に石綿を製造したり、取り扱っていた事業所の従業員や周辺住民に、肺がん、中皮腫など石綿によるとみられる健康被害が多発していることが複数企業から公表されたことを踏まえ、政府の「アスベスト問題に関する関係省庁会議」は平成17年7月11日までに、政府としてのアスベスト問題への総合対策をまとめた。政府が示した対策は(1)石綿被害に関する実態把握(担当:厚労省、経産省など)、(2)石綿関連事業場の労働者、退職者、その家族、周辺住民を対象とした健康相談窓口の開設(担当:厚労省、環境省など)、(3)石綿関連事業場労働者、退職者への健康診断の呼びかけ、健康管理手帳制度(注1)、労災補償制度(注2)の周知徹底(担当:厚労省)、(4)建築物解体時の飛散予防徹底(担当:環境省、厚労省、国交省など)、(5)石綿含有製品の代替化促進(担当:厚労省、経産省など)−−の5つを内容とするもの。
なお、環境省はこの総合対策の内容を踏まえ、翌7月12日に、大気中への飛散防止対策および廃石綿適正処理の徹底を求める通知文書と保健所での健康相談受付を依頼する文書を各都道府県などに送付した。
このうち健康相談受付依頼文書では、事業所外の大気中に飛散したアスベストが原因となった健康被害を環境省に報告することも求めている。
(注1)健康管理手帳は石綿を取扱う業務に従事していた人が離職後に住居地の都道府県労働局長に申請することにより交付を受けることができる。交付後は指定された医療機関や健康診断機関で年2回(じん肺の健康管理手帳については年1回)無料で健康診断を受けることができる。
(注2)過去の業務により石綿との関連が認められる疾病にかかり、療養、休業、死亡した場合には、労災補償対象となる可能性がある。補償を受けるには労働基準監督署への手続きが必要。【厚生労働省】