一般財団法人環境イノベーション情報機構
CDM事業化調査で2005年度採択案件24件を決定
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2005.07.12 【情報源】環境省/2005.07.12 発表
環境省は2005年7月12日、クリーン開発メカニズム(CDM)・JI(共同実施)事業の発掘調査の05年度対象案件として計24件のプロジェクトを採択したと発表した。CDMとJIは、京都議定書に盛り込まれた市場原理を活用した措置「京都メカニズム」の中の制度で、CDMは先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。また、JIは先進国同士が共同で温暖化対策事業を行い、その事業によって削減された排出削減分を事業の投資国と実施国とで分け合うことができる制度。
この調査は効果の高いプロジェクト案件の発掘や、CDMやJIに関する国内的・国際的ルールづくりのための情報収集を目的としたもので99年から毎年度実施されている。
05年度は特に京都議定書発効を踏まえ、より事業化の可能性の高い案件を優先的に採択するとし、提案書に「基礎調査結果」、「ベースライン・モニタリングの方法論に関する具体的な検討内容」、「内部収益率(IRR)など費用対効果に関する検討内容」、「カウンターパートとの調整状況」−−などに関する情報を記入してもらい、内容が充実していると判断される案件を優先的に採択する方針だった。
募集期間中51団体から70件の案件について応募があり、これらを専門家委員会で評価・審査した結果、22件が採択されたもの。
採択案件の内訳は廃棄物管理が6件、バイオマス利用が9件、植林とバイオマス利用が1件、植林が1件、風力発電事業が1件、水力発電事業が2件、代替フロン抑制が1件、熱回収が1件。
なお22件とは別に、04年に開始した酸性雨対策や黄砂対策にも寄与するCDM・JI案件に関する実現可能性調査で、酸性雨対策案件1件、黄砂対策案件1件を継続採択したため、プロジェクト採択数は24件となっている。【環境省】