一般財団法人環境イノベーション情報機構
食品中残留農薬のポジティブリスト制導入で16年度までの分析法検討状況を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.06.27 【情報源】厚生労働省/2005.06.27 発表
食品中残留農薬、動物用医薬品、飼料添加物のうち、残留基準が設定されていないものを一定量以上を含む食品の流通を原則禁止する「ポジティブリスト制度」を、平成18年5月から施行することをめざしている厚生労働省は17年6月27日に、制度の対象となる農薬分析法の16年度までの検討状況を公表した。残留農薬については、17年6月現在で246農薬と31の動物用医薬品に対し、食品中残留基準と分析法が定められており、また複数の農薬を分析する一斉分析法としては、9年4月8日付けの通知「残留農薬迅速分析法の利用について」(平成9年衛化第43号)が示されているところ。
ただし、ポジティブリスト制度を施行するにあたっては、従来のものとは別に、17年6月3日に715の農薬・動物用医薬品・飼料添加物の食品中残留基準を提案した最終案が公表され意見募集が行われているほか、これらの物質の分析法について、厚労省の国立医薬品食品衛生研究所を中心に17年度までの計画で検討が進められている。
15年度は(1)ガスクロマトグラフ・質量分析計(GC/MS)による農産物中残留農薬一斉分析法や、(2)GC/MSによる畜水産物中残留農薬一斉分析法が検討され、それぞれ90農薬、60農薬に、これらの分析法が適用可能であることが明らかにされたほか、(3)高速液体クロマトグラフ(HPLC)が適用可能な動物用医薬品が約80あることも判明した。
また16年度は、(4)約130農薬へのGC/MSによる農産物中残留農薬一斉分析法の適用、(5)GC/MSによる畜水産物中残留農薬一斉分析法の畜水産物試料の適用範囲拡大、対象農薬拡大、(6)約80農薬についての液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)による一斉分析法の開発、(7)HPLCによる動物用医薬品一斉分析、一斉分析が適用困難な動物用医薬品に対する個別またはグループ分析法−−の検討が行われた。
16年度検討対象農薬で分析法が適用できることが判明した農薬数は改めて公表の予定。動物用医薬品については約120項目で開発した分析法の適用が可能であったとされている。
なお厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課(電子メール:nalysis2@mhlw.go.jp、FAX:03−3501−4868)ではこれらの内容についての意見や質問をFAXとメールで受け付けている。【厚生労働省】