一般財団法人環境イノベーション情報機構
魚介類中メチル水銀の食品健康影響評価案への意見募集開始
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.06.24 【情報源】内閣府/2005.06.23 発表
内閣府食品安全委員会は平成16年7月に厚生労働省から食品健康影響評価を行うことを依頼された魚介類中メチル水銀のリスクについての評価案をまとめ、この案について17年7月22日17時(必着)まで意見募集を行うことにした。今回の食品健康影響評価は、厚生労働省が15年に策定した、魚介類を通じてのメチル水銀摂取に関する妊婦向け「注意事項」を見直すために、メチル水銀の1日耐用摂取量(TDI(注1))の設定を目的としたもの。
評価案は、日本を含む各国や、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議が過去に実施したリスク評価結果も踏まえつつ、魚食の多い地域で胎児期の水銀曝露状況と子どもの発達状況の関連性を研究したセイシェル共和国、フェロー諸島の疫学調査に基づいて評価を行い、胎児のメチル水銀耐容週間摂取量を週、体重1キログラムあたり2.0マイクログラムとする結論を導き出している。
また評価は、現段階では、食品中に含まれる水銀以外の汚染物質との複合リスクについての知見が十分ではなく、評価の検討材料にできなかった点を指摘。摂取量の基礎データとなる魚の含有水銀量についての詳細データベースの整備、リスクとのバランスを考えることが必要な、魚食の栄養学的なメリットに関する研究の進展−−などとともに今後の課題だとしている。
意見は郵送、FAX、意見募集提出フォームにより受付けている。
(注1)人が生涯継続して摂取しつづけても影響が出ないと判断される1日、体重1キログラムあたりの最大摂取量。食品添加物や食品残留農薬のように食品中に意図的に使用された物質に対しては、許容一日摂取量(ADI)という単位が使われるが、人が非意図的に摂取している有害物質については、TDIが使われる。【内閣府 食品安全委員会】