一般財団法人環境イノベーション情報機構
海鳥や海亀の混獲対策を各国に勧告 インド洋まぐろ類委員会第9回年次会合
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.06.08 【情報源】水産庁/2005.06.07 発表
2005年5月30日から6月3日にかけて、セイシェルでインド洋まぐろ類委員会第9回年次会合が開催された。今回の会合では(1)台湾の違法漁獲問題、(2)まぐろ延縄漁船の洋上転載管理、(3)メバチまぐろの資源管理措置、(4)ポジティブリスト(正規漁船リスト)決議の改正、(5)サメ、海鳥、海亀の混獲対策−−などが議題となった。
このうち台湾の違法漁獲問題については、過去の決議に反する漁獲量増大や小型サメ漁船による沿岸国水域での無許可操業などが日本によって問題提起された結果、台湾のメバチまぐろ年間漁獲量を3万5,000トンに制限すること、今後具体的な管改善措置を講じない場合、更に厳しい措置を検討することが決まった。
また、まぐろ延縄漁船の洋上転載管理問題は、台湾船の違法漁獲手法の1つとして、IUU(違法、無報告、無規制)漁船の漁獲物を運搬船に転載する際に、正規漁船の漁獲物として漁獲海域・船名を虚偽記載する方法が行われていることから、洋上転載の全面禁止などの措置が検討され、次回会合に継続審議することとなった。
一方、メバチまぐろの資源管理措置については、国別漁獲制限の設定内容が合意に至らなかったものの、次回会合で3年間の暫定漁獲制限を策定し、暫定措置期間内に漁獲配分を検討することが採択され、ポジティブリスト決議改正については、24メートル下の小型船もリストの対象に加えることが決まった。
さらに混獲対策では、サメの魚体の完全利用を求める保存決議が採択されたほか、FAO海鳥混獲削減行動計画の導入促進、FAO海亀混獲削減ガイドラインに基づく対策導入と混獲データ収集の実施が各国に勧告された。【水産庁】