一般財団法人環境イノベーション情報機構
お茶大、放射性同位元素違法保管問題で原因究明と再発防止策を報告
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.05.25 【情報源】文部科学省/2005.05.23 発表
お茶の水女子大学(東京都文京区)の放射線管理区域外である理学部1号館化学事務室と生活科学部研究室で、放射性同位元素がみつかった件で、同大がまとめた原因究明と再発防止策に関する報告が平成17年5月9日に文部科学省に提出された。お茶大でみつかった放射性同位元素は(1)ラジウム−226・17メガベクレルが入った密封線源1個、(2)粉砕、溶解された鉛−214岩石、(3)トリチウム入りのバイアル1本とチューブ6本。
報告は、ラジウム−226は大正から昭和初期、鉛−241は昭和24〜26年頃と、いずれも昭和33年の放射線障害防止法施行以前に持ち込まれた可能性が高いと推測するとともに、トリチウムについては、昭和61年6月に購入されたものが、何らかの原因で責任者への報告なく管理区域外に運び出され、そのまま冷凍庫内のコンテナに長期間放置されたと結論した。
また再発防止策としては(一)全学施設を対象とした管理区域外放射性同位元素についての年1回点検実施、(二)管理区域内での放射性物質廃棄マニュアルの整備、(三)教育訓練の徹底、(四)副学長を長とした「放射線等管理委員会」の設置など管理強化−−を行うことが示されている。
なおこの報告を受けた文部科学省は、17年5月17日に改めて立入検査を実施。放射性同位元素の管理方法や教育訓練は適切に実施されていることを確認したが、放射線障害予防規定と放射性同位元素の取扱方法を記載した「使用心得」の関係が文書体系上明確ではなかったことを指摘し、放射線障害予防規定を上位文書とした文書体系化などをお茶大側に求めた。文部科学省は対策の継続的な実施状況を確認するため、1年以内に再度同大を立入検査する方針。【文部科学省】