一般財団法人環境イノベーション情報機構
組換えマウスの未承認飼育 実験動物中央研究所が再発防止策を農水省に報告
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2005.05.06 【情報源】農林水産省/2005.04.28 発表
(財)実験動物中央研究所(神奈川県川崎市)が、ヒトのポリオ(小児まひ)ウイルスにかかるように遺伝子組換えをしたマウスを、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に反し農林水産大臣による確認を受けないまま、販売目的で飼育していた件で、同研究所は平成17年4月28日までに違反の原因と再発防止策に関する報告を農林水産省に提出した。この報告で違反の原因は(1)所員のカルタヘナ法についての理解が不足していた上に、(2)法令遵守状況を確認する体制に問題があった−−と説明されており、再発防止策としては、(一)所員全員に対する法令遵守教育と法制度周知徹底の定期的な実施、(二)法令遵守のための部門設置と所外第三者から構成されるコンプライアンス委員会の設置、(三)遺伝子組換え実験の管理・運営にあたっている所内の遺伝子組換え実験安全委員会の見直し−−を行うとしている。
なお報告を受けた農林水産省は文書で同研究所を厳重注意。再発防止策の徹底を求めた。
このマウスが研究所外部に逃亡した場合には、在来のマウスとの交雑により、自然界に存在していなかったポリオウイルスにかかる性質を持つマウスが繁殖してしまう恐れがあるが、これまでに飼育マウスが逃亡したケースがなかったことは記録から確認されている。【農林水産省】