一般財団法人環境イノベーション情報機構
下水処理水再利用時の水質基準を見直し
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2005.04.25 【情報源】国土交通省/2005.04.22 発表
国土交通省下水道部と国土技術政策総合研究所が設置した「下水処理水再利用に関わる水質基準等に関する委員会」は2005年4月22日までに下水道管理者向けの「下水処理水の再利用水質基準等マニュアル」を策定した。下水処理水の再利用は1978年の異常渇水を契機に開始され、その後、水洗用水、融雪用水、工業用水、散水用水など利用用途が拡大。最近はヒートアイランド対策としての打ち水利用など新たな用途での使用も期待されているものの、再利用水量はまだ下水処理水全体の2%未満(02年度実績)にすぎず、再利用促進がさらに必要な状況。
今回のマニュアルはこのような状況を踏まえ、(1)水洗トイレに使う水洗用水、(2)植樹帯、芝生、路面、グラウンドへの散水用水、(3)景観維持を主目的とする修景用水、(4)レクリエーション時に人間が触れることを想定した親水用水−−の4種の用途について、下水処理水を再利用する場合の水質基準・目標水質を見直したもの。
衛生学的安全性、再生水利用施設の美観・快適性の確保、再生水利用システムの施設機能障害防止−−の3つの観点から、4種の用途ごとに大腸菌、濁度、pH、外観、色度、臭気、残留塩素などの基準を設定。
このうち大腸菌については従来の大腸菌群数に代え大腸菌数を指標に据え、修景用水以外は「100ミリリットルあたり不検出」を新基準としたほか、施設基準を新たに盛り込んだ。
また再生水利用にあたり管理上、考慮すべき事項も、ユスリカ発生防止や腐食・閉塞防止対策など具体的な課題ごとにまとめられている。【国土交通省】