一般財団法人環境イノベーション情報機構
住友金属鉱山市川研究所で核燃料物質を発見
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.04.25 【情報源】文部科学省/2005.04.18 発表
平成17年4月18日9時30分頃頃、千葉県市川市にある住友金属鉱山(株)市川研究所で核燃料物質などがみつかったとの通報が同社から文部科学省に寄せられた。核燃料物質は、17年2月に文部科学省が全国の放射線障害防止法対象事業所に、放射線管理区域内外に長年放置されている放射性同位元素などがないかを点検し、報告するよう通知したことに対応し、同社が17年4月5日に研究所内を調査した際に、通常は立入禁止の研究本館屋上倉庫の中で金属製の容器に入った状態でみつかったもの。
通報を受けた文部科学省がただちに職員を現地に派遣し、調べた結果では内容は(1)ポリ袋1袋に入った酸化トリウム3グラム(トリウム量2.6グラム)、(2)薬包紙2包に入ったトリウム2グラム(トリウム量1.8グラム)、(3)薬包紙2包に入った酸化トリウム4グラム(トリウム量3.5グラム)、(4)試薬ビン1本に入った酸化トリウム10グラム(トリウム量8.8グラム)、(5)試薬ビン2本に入った硝酸トリウム32グラム(トリウム量13グラム)、(6)試薬ビン3本に入った硝酸トリウム125グラム(トリウム量109.9グラム)、(7)試薬ビン1本に入った硝酸トリウム3グラム(トリウム量3グラム)、(8)プラスチックビ2本に入ったフッ化トリウム3,919グラム(トリウム量20グラム)、(9)プラスチックビン8本に入った4フッ化トリウム350グラム(トリウム量20グラム)(10)プラスチックビン1本に入ったトリウム1,113グラム(トリウム量1,113グラム)。
核燃料物質の入っていた倉庫外壁表面の放射線量は1時間あたり最大0.9マイクロシーベルトであったが、そもそも研究所本館屋上は通常立入禁止であったことから、文部科学省では安全上問題ないとしている。
また発見後は同研究所で第1種放射線取扱主任者免状を持つ職員の指導により、金属製の容器の周りを鉛ブロックで囲んだ上に、研究所内のコンクリート造りの施錠管理された保管室内にある金属製保管庫に保管されており、保管庫の外壁表面の放射線量は1時間あたり最大0.07マイクロシーベルトと安全上の問題のないレベルとなっている。
なお、文部科学省では研究本館屋上倉庫内での核燃料物質の保管状況を確認するとともに、住友金属鉱山に、核燃料物質が放置された経緯を調査し、今後の対応とあわせて報告するよう要請した。【文部科学省】