一般財団法人環境イノベーション情報機構
新石垣空港整備事業環境アセス書に環境大臣意見を提出
【環境一般 環境アセスメント】 【掲載日】2005.04.18 【情報源】環境省/2005.04.15 発表
環境省は、新石垣空港整備事業に関する環境影響評価書について、国土交通大臣から意見を求められたことに応え、平成17年4月15日付けで環境大臣意見を提出した。新石垣空港整備事業は沖縄県石垣市白保地区に長さ2,000メートルの滑走路を持つ空港の建設を行うもの。
県は当初、昭和54年5月に海上への空港建設を決定していたが、地域住民や国内外の自然保護団体から建設予定地周辺のサンゴ保全を理由とした建設反対運動が展開されたため、見直しを検討する中で平成12年4月に建設位置がカラ岳陸上案に変更された経緯がある。
今回の環境大臣意見は、(1)石垣島固有のヤエヤマコキクガシラコウモリをはじめとする小型コウモリ類が出産・ほ育の場として利用している洞窟の保全に万全を期すとともに、冬季の休眠やねぐらとして利用している洞窟についても小型コウモリ類ができる限り継続利用できるよう保全すること、(2)工事に伴う濁水を地下浸透によりろ過するとしているが、サンゴ礁生態系への影響を避けるために、浸透能、沈砂・ろ過機能の評価を行い、濁水の前処理の必要性などを検討すること、(3)轟川を通じて海域にもたらされる赤土の増加によるサンゴ礁生態系への影響を評価するために、事業以外の原因による赤土流出や事業区域からの現在の赤土流出状況との比較を行うこと。 (4)海域生物・海域生態系の環境監視にあたって、調査監視項目に赤土等の堆積量を加えるとともに、トゥールグチから轟川河口南側の海域も含めた調査地点を設け、年間を通じた調査・大規模な降雨後調査を行うこと、(5)環境監視の対象種にカンムリワシのほか、リュウキュウツミ、ズグロミゾゴイを加え、監視項目にも航空機の騒音レベルを追加し、繁殖期を含めた適切な時期に影響評価を実施すること−−といった内容を盛り込んでいる。
なお、事業者である沖縄県に対しては、国土交通大臣からこの環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。【環境省】