一般財団法人環境イノベーション情報機構
水素バリアフィルム・材料の開発と水素透過機構およびバリア性の評価〜高圧水素タンク・表面コーティング・ポリマーアロイ・水素耐性樹脂〜
★金属表面への機能性バリアコーティング、高圧水素用多層ホース、超高圧ガス用複合材料容器用バリア材など
★水素透過率の測定法、水素透過機構の考え方を詳解!!
★ポリマーアロイ化による水素バリア性の向上!
【講 師】
第1部 国立大学法人電気通信大学 教授 工学博士 田村 元紀 氏
第2部 国立研究開発法人産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門 首席研究員 クレイチーム 会長 蛯名 武雄 氏
第3部 日本合成化学工業株式会社 中央研究所コアテクノロジー研究室長 兼 イノベーションセンター長 渋谷 光夫 氏
【会 場】
東京中央区立産業会館 4F 第4集会室【東京・中央区】
都営新宿線 馬喰横山駅 地下通路経由 B4出口 5分
JR総武線 浅草橋駅 東口 8分
【日 時】2015年5月28日(木) 11:00-16:00
【早期割引価格:1名または2名の場合】54,000円(税込、テキスト費用を含む)
⇒5月15日以降のお申込は57,240円(税込、テキスト費用を含む) となります
【3名の場合】75,600 円(税込、テキスト費用を含む)
※ 弊社負担にて、ご昼食を用意させていただきます
詳細確認・お申込専用URL▼
http://ec.techzone.jp/products/detail.php?product_id=3950
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第1部 水素バリア機能膜の開発と今後の展望
【11:00-12:15】
講師: 国立大学法人電気通信大学 教授 工学博士 田村 元紀 氏
【キーワード】
1.水素用材料
2.水素透過防止
3.薄膜コーティング
【講演主旨】
化石燃料の代替エネルギーとして期待されるのが水素である。水素は金属の表面より侵入し脆化させるため、その防止技術が課題となる場合がある。水素の侵入を防止する表面処理技術は、拡大が期待される水素エネルギーや燃料電池関連部材の表面に広く適用できる可能性がある。本講演では、水素用材料として推奨されているSUS316Lステンレス鋼に表面処理を施した場合の、水素透過率の測定法、水素透過機構の考え方、有効な表面処理方法、今後の展望等について講演する。
【プログラム】
1.水素用材料について
1-1 ステンレス鋼
1-2 アルミニウム合金
2.水素バリア機能膜の報告例
2-1 窒化物
2-2 酸化物
3.水素透過機構
3-1 表面吸着反応
3-2 拡散プロセス
3-3 律速過程
4.水素透過率測定
4-1 測定原理
4-2 測定装置の構成
5. 表面処理とその水素バリア機能
5-1 PVD(スパッタリングやイオンプレーティング)処理
5-2 磁界励起活性化イオンプレーティング処理(c-BN)
5-3 プラズマ窒化処理
6. 今後の展望
【質疑応答 名刺交換】
第2部 粘度膜利用によるバリア技術の開発と水素バリア性
【13:15-14:30】
講師:国立研究開発法人産業技術総合研究所 化学プロセス研究部門 首席研究員 クレイチーム 会長 蛯名 武雄 氏
【講座概要】
本講演では、ガスバリア材料の構造を解説し、産総研で開発された、厚さ約1nmの粘土薄板結晶を緻密に配向積層させてハンドリング可能な厚みに成型した膜「クレースト」の紹介を行う。クレーストはプラスチックフィルムを超える耐熱性と、優れたガスバリア性を有する。特に、水素等の小さな気体分子に対しても高いガスバリア性があることを確認している。本講演ではまた、水素バリア性と耐熱性を併せ持つ膜について、その構成、製法、特性、応用などを紹介する。さらに水素タンクへの応用などいくつかの具体的用途、大量生産に向けての開発動向についても触れる。
【プログラム】
1.水素バリアフィルムの開発
1-1.バリアフィルムの構造
1-2.水素バリア性の評価
2.粘土膜の製造
2-1.粘土と成膜性
2-2.製膜プロセス
3.特性
3-1.ガスバリア性
3-2.耐熱性
3-3.自己修復性
3-4.不燃性
4.応用例
4-1.産業用シール材
4-2.ガスバリア性炭素繊維強化プラスチック
4-3.燃料電池車用水素タンク
5.産業化スキーム
【質疑応答 名刺交換】
第3部 高圧水素ガスバリア材の開発と今後の課題
【14:45-16:00】
講師:日本合成化学工業(株) 中央研究所 コアテクノロジー研究室長 兼 イノベーションセンター長 渋谷 光夫 氏
【ご経歴】
1987年に日本合成化学中央研究所に配属。
1987年〜1992年:EVOHの新規製造法、ポリマーアロイによるEVOHの機能化を担当。
1993年 :知的財産部に所属。
1994年〜2001年:塩ビ懸濁重合、乳化重合用の高分子保護コロイド剤開発に従事
2002年〜2010年:PVAの高次構造の制御による新規アモルファスビニルアルコール
系樹脂など機能性PVAの開発を担当。
2011年〜2014年 :コアテクノロジー研究室長として水素インフラ関係材料開発、その他、電池関連部材の開発に取り組んでいる。
特許出願件数は、ビニルアルコール系樹脂関連を中心に約168件。
2015年1月よりイノベーションセンター長兼務
【講演趣旨】
アモルファスビニルアルコール系樹脂やエチレンビニルアルコール系樹脂は、PEの20万倍〜7000倍ものガスバリア性を示す機能性材料であるが、高圧下(70MPa〜)水素環境下で使用するにあたり結晶領域と併せて非晶領域の理解が不可欠である。今回、ガスバリア材の分子空隙サイズを支配する各因子の一般的考察と併せて、水素透過度と固体NMR13C核スピン-格子緩和時間T1Cによる分子運動性の調査及び水素耐性と柔軟性を付与するためのポリビニルアルコール系樹脂のポリマーアロイ化検討例やナイロン系樹脂評価例などを紹介する。
【プログラム】
1.はじめに
(1)水素耐性を有する樹脂開発に関わる留意ポイント
(2)水素バリア性及び耐ブリスタについて
2.樹脂の水素透過度と分子運動性の関係
(1)酸素透過度と自由体積空孔サイズの関係
(2)高性能ガスバリア材の設計思想
(3)アモルファスビニルアルコール系樹脂
3.高圧水素ガス溶解量及び耐ブリスタ性を有するポリマーアロイの設計
(1)水素耐性を有するバリア樹脂の選定
(2)ポリマーアロイの設計
(3)70MPa曝露試験前後のポリマーアロイの分子運動性と水素バリア性への影響
(4)SSRT(水素脆化感受性)、形態観察
4.高圧水素ガスバリア性の検証
(1)高圧水素用多層ホースでの検討例
(2)超高圧ガス用複合材料容器用バリア材試験片による性能評価
5.まとめと課題
【質疑応答 名刺交換】
【登録日】2015.04.22