一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

カーボン・プライシング 環境用語

作成日 | 2017.07.18  更新日 | 2017.07.18

カーボン・プライシング

カーボンプライシング   【英】Carbon Pricing  [同義]炭素の価格付け 

解説

カーボン・プライシングとは、炭素税排出量取引などにより炭素に価格を付けること。気候変動の原因となる二酸化炭素(CO2)による社会的外部費用(気候変動によるさまざまな被害など)を内部化するために、排出される炭素の量に応じて何らかの形で課金をすることである。このことにより、CO2の排出削減に対する経済的インセンティブを創り出し、気候変動への対応を促すことになる。

炭素に価格がつくことによって、CO2の排出者は排出を減らすか、排出の対価を支払うかを選択することになる。その結果、社会全体ではより柔軟かつ経済効率的にCO2を削減できる。

炭素の価格の社会的・経済的に望ましい水準は、大気中のCO2の蓄積が限界的に1単位増えたとき、その結果生じる大気の自然的恩恵、人間の経済的・社会的・文化的側面での価値の限界的減少を評価し、現在から将来の社会的割引率で割り引いた現在価値となる。カーボン・プライシングの具体的な手法には、炭素税環境税)、排出量取引制度、などがある。カーボン・プライシングは低炭素技術への投資と市場の拡大へのインセンティブともなる。

世界銀行によると、2015年11月現在世界では約40か国と23の都市が排出量取引制度や炭素税などカーボン・プライシングを実施しており、世界の排出量の約12%をカバーしている。既に実行されているもしくは計画中のカーボン・プライシング制度の数は2012年以降倍増しており、その市場規模はおよそ500億米ドルに達する。近年は民間企業でも、企業の社会的責任を果たす目的や、将来の炭素課金を見越して、自主的に社内的なカーボン・プライシングを導入し、社内での経営や投資計画に活用する事例も増えている。(2017年2月作成)

この解説に含まれる環境用語

この環境用語のカテゴリー

関連Webサイト