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ニホンカワウソ 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2020.05.05

ニホンカワウソ

ニホンカワウソ   【英】Janpanese River Otter  

解説

 日本では明治時代以前には、全国各地の河川などの水辺で普通に見られた。ユーラシアカワウソの亜種だが、しっぽが長いなどの形態的特徴や遺伝的特徴から、別種とする意見もある。北海道に生息した個体群は本州以南の個体群と多少の違いが見られるとされるが、標本数も少なく、形態的な検討は十分でない。

 明治時代になって毛皮を目的とした捕獲などにより、急速に姿を消した。ニホンカワウソ(北海道亜種)は1955年に斜里川付近で捕獲された個体が最後の記録、ニホンカワウソ(本州以南亜種)の生息情報は本州では1954年和歌山県友ヶ島海岸の生息情報が最後で、それ以降は四国での情報に限られ、高知県須崎市で1979年に発見された死体が最後の確実な情報とされる。

 明治期にはじまった個体数の減少は、毛皮目的の過剰な捕獲が原因。その後、森林伐採による水資源の枯渇、不安定化河川工事や農薬、排水による水質の悪化で餌が減少したことが存続に大きな悪影響を及ぼしたと考えられている。1928年に狩猟対象から外され、1964年に国の天然記念物、翌1965年に特別天然記念物に指定された。環境省のレッドデータブックでは、2012年8月公表の第4次レッドリストで、生息確認調査等の結果から、ニホンカワウソ(北海道亜種)とニホンカワウソ(本州以南亜種)はともに絶滅したものと判断し、カテゴリー(ランク)を「絶滅危惧IA類(CR)」から「絶滅(EX)」に変更した。(2020年2月更新)

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