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生物濃縮 環境用語

作成日 | 2003.12.12  更新日 | 2024.03.21

生物濃縮

セイブツノウシュク    【英】Bioaccumulation  

解説

生物が、水や空気、餌から取り込んだ物質を生息環境中よりも高い濃度で生体内に蓄積する現象を生物濃縮という。自然界でも藻類でヨウ素を濃縮するなどの例がみられる。一方で汚染物質であるメチル水銀食物連鎖を介して魚介類に蓄積し、それを食べたヒトで健康被害(水俣病)を引き起こした歴史を忘れてはならない。

水生生物(主に魚類)への生物濃縮に関する情報は化学物質の環境中での挙動を理解する上で重要であり、化学物質のリスク評価・分類を行う上で重要な指標の一つでもある。

化学物質の分野では、生物濃縮(Bioaccumulation;生物蓄積と訳す場合もある)とは水生生物(個体)があらゆる環境媒体(水、餌、底質)、経路(エラ、消化管、体表面)から化学物質を取り込み・蓄積することの総体を指し、水からエラ呼吸あるいは体表面から吸着・取り込み・蓄積する場合には英語でBioconcentrationの用語が使われる。

また、例えばメチル水銀では、食物連鎖における高次捕食動物でより高濃度の蓄積がみられる傾向がある。このような食物連鎖を介した生物濃縮は水生生物への単純な暴露試験の場合に比べ化学物質の蓄積の増幅がみられことから英語ではBiomagnificationの用語が使われる。(2024年3月改訂)

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