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小笠原 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2012.05.30

小笠原

オガサワラ   【英】Ogasawara  

解説

東京の南方約 1,000kmの太平洋上に散在する大小30余の島々からなる地域の総称。東京都小笠原村に属し、一部を除きほぼ全域が小笠原国立公園に指定(1972)されている。海洋により隔絶された島嶼であることから、ムニンノボタン、オガサワラオオコウモリ、メグロなど固有の動植物が分布し「東洋のガラパゴス」と呼ばれているが、近年はノヤギ、 グリーンアノール、アカギなどの外来種による影響が生じており種々の対策が講じられている。また、東京都が計画していた空港建設は、貴重な自然環境に多大な影響を 与えるとして議論を呼んだが、2001年に計画が撤回された。代替の交通手段として計画された高速船の就航も採算上の問題等から実現に至らず、現在も同島へのアクセスは東京からの週1-2便(所要時間約25時間半)の船便に限られている。

2003年、環境省と林野庁が設置した「世界自然遺産候補地に関する検討会」で、小笠原は知床、奄美・沖縄とともに世界自然遺産の候補地としてリストアップされたが、その保護管理上の問題等から、直ちに政府としての推薦には至らず関係機関による保護地域の拡大、外来種対策等の努力が続けられてきた。これらの取組を踏まえ、政府は2007年1月に我が国の「世界遺産暫定一覧表(暫定リスト)」に「小笠原諸島」を記載してユネスコに提出、2010年1月には推薦書等を世界遺産委員会事務局に提出した。審査の結果、「陸産貝類の進化および植物の固有種における適応放散という、重要な進行中の生態学的過程により、進化の過程の貴重な証拠を提供している」等の理由により、2011年6月に我が国で4番目の世界自然遺産としての登録が実現した。

2011年度末現在、小笠原に生育する動植物のうちオガサワラオオコウモリ、ハハジマメグロ、オガサワラハンミョウなど動物11種と、ムニンノボタン、ヒメタニワタリなど植物12種が、「種の保存法」に基づく「国内希少野生動植物種」として指定されている。

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