一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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このゆびとまれ!エコキッズ


お店のはなし


■食べものはどこから?

●目的

  • 気づき:私たちが食べている多くのものが外国から輸入されていることに気づく
  • 知識:消費者が商品を選ぶ権利として保証されている食品等につけられた表示について、その意味を正しく理解できる
  • 行動:表示を適切に読み解きながら、産地や旬等に配慮した食品 ・食材の購入ができる

●背景

 −食と環境−
 食は、生命を支え、生活を営む上で基本的に必要なものです。すべての人にとって日々の生活の中で欠くことのできないことだけに、食という行為や食品を通じて環境に及ぼす影響は大きく積み重なっていくことになります。食にまつわる環境負荷としては、調理屑や食べ残しなど生ごみの排出や、食材 ・食品の生産や流通に関わる環境負荷などがあげられます。ともに関連した話ですが、本項では後者について扱っています(なお、前者については、「(1−5)生ごみのはなし」で扱います)。

 −日本の食料自給率は40%−
 日本の食料自給率の低下が問題視されて久しくなりますが、低下の傾向はなかなかおさまりません。平成10年度の値は、カロリーベースで40%(概算値)となっています。豆腐や味噌、醤油の原料である大豆や、うどんやパンの原料の小麦は、国内消費のほとんどを輸入に頼っている他、魚介類や肉、野菜、果物、加工食品など、ありとあらゆるものが世界中から日本に届いています。こうした食料の輸入増加の背景には、利潤最大化を求める効率主義の考え方や、国内の第一次産業の置かれている状況、先進国と途上国の経済格差によるコストや流通の問題などさまざまな要因が関わっています。

 −食料貿易のもたらす影響−
 日本の現状のように国内で消費する食料の多くを輸入に頼ることは、輸入国である日本にとって問題が多いばかりでなく、輸出国にとっても失うものが多くあります。食料を海外に依存する輸入国では国内の第一次産業の弱体化 ・崩壊を招くことになります。一方、外貨獲得を目的として集約的な農業が行われる輸出国では、地域の環境破壊が激化することになります。さらに、食料の大規模な移送自体、輸出国の栄養分の喪失かつ輸入国における富栄養化といった窒素循環の偏りを生じさせるとの指摘もあります。
 こうした現状に対する理解を深め、日常の食料消費がどのように関連しているのか、またそれらに対してどのような行動(例えば選択的購買など)をとることができるか、などについて考えていくことが求められます。

●視点

○食品表示の適切な読み取り方について
 今日、食品売場にはさまざまな種類の食品が並んでいます。産地の違い、添加物や加工法の違いなど各メーカーが競って差別化を図っています。こうした状況の中でわれわれは、健康や環境への影響などを考慮しつつ、より良い商品を選択的に購買していくことが自己責任として求められるといえるでしょう。
 食品のパッケージやラベルには、さまざまな情報が印刷されていますが、これらの表示を的確に読みこなすことが、適切な商品選択につながります。
 JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)の改正によって、商品表示の義務化が進んだ他、自主努力としてもさまざまな表示がつけられています。販売促進のための抽象的なイメージ戦略もそれらの表示以上に大きく目立つように書かれています。こうした中で、派手なキャッチコピーなどに惑わされずに、本質を読み解いていく力がないと、表示も単なる記号でしかありません。

○「身土不二(シンドフジ)」という考え方
 「身土不二」という考え方があります。食べることを栄養素の吸収という要素の集積として考えるのではなく、環境全体とのつながりを重視した行為のひとつとしてみなしています。「身体(身)と環境(土)はバラバラではない(不二)」といった意味で、土地柄と季節にあった食べ物をとることで、暮らしている場所の気候や風土に適応し、季節の変化についていくことができるという考え方です。
 もともとは仏教用語で、中国の仏教書「廬山蓮宗寶鑑」(1305年、普度法師編)の中で使われたのが最初といわれています。
 明治30年代におこった「食養道運動」のスローガンとして使われ、食を通じた健康増進や病気治療等の効果を唱える医療関係者や料理研究家、また食と農と環境のあり方を探求する生産者や消費者の間で、食に対する思想や信条のひとつとして普及してきました。
 近年の身土不二に対する関心の高まりは、今日の表面的な豊かさを求める社会のあり方や人としての生き方が、自然を汚染し、健康を害すという形で返ってきている現実に不安や懐疑を感じる人が多くなってきている裏返しともいえます。

●発展

○食を通じた教育

 −食農教育の提唱−
 「食農教育」という考え方が提唱されています。今日の食生活の乱れ(朝食の欠食や栄養の偏り、脂肪の取りすぎなど)を是正し、正しい知識を広めて、ライフスタイルに合った食生活を管理をしていこうとする「食の教育」と、一方で日々の食料消費や食生活の場と食料生産の場である農業との距離が拡大し、農業や農村の役割や現状を理解する機会が減っていることから、農の持つさまざまな役割について啓発使用という「農の教育」を一体として進めていくものとして捉えられています。特に学校教育の場で、食を生み出す農業の具体的な体験を取り入れ、食べ物を通して自然界の営みや農業、心身、家庭、地域などを一体的に学んでいこうと進められることも多くなっています。
 地場産品の学校給食への導入や、農業者とのふれあいや授業への参加依頼、農村部への学習旅行の受け入れなど、さまざまな取り組みが積み重ねられています。

 −郷土料理と食文化の伝承−
 郷土料理の調理法などを伝承する動きも全国各地で高まっています。郷土の食文化を伝承する拠点施設が建設されたり、郷土のお祭りなどで地域の伝統料理を調理して試食する催しもあります。珍しいところでは、郷土料理が記録 ・保存の必要な無形文化財として指定されたり、また郷土料理の調理法や食べ方などを伝承する味の伝承士 ・指導士として認定するなどの取り組みもみられます。

 −無形文化財としての郷土料理−
 長野県教育委員会では、飯田市の「鯖鮨」や南信州の「柚餅子」などの4品を選択無形文化財として、調理法の文書による記録作業などが進められています。
 滋賀県教育委員会でも、平成10年に、「湖魚のなれずし」や「湖魚のつくだ煮」、「アメノイオご飯」などの5品を県の無形民俗文化財に指定しています。アメノイオは、琵琶湖の産卵期のマスの通称で、祭りなどの際にゴボウなどと一緒に炊き込みご飯にしていましたが、材料の湖魚の漁獲量が激減している上に、食べる機会もなくなってきていることが危機感を生んだといのことです。

 −文化の保全が環境の保全にもつながる−
 郷土の料理の保全 ・復元は、その地域固有の生活文化だけでなく、それらの文化を支えてきた環境そのものを保全
・復元していこうということでもあります。文化は環境と切り離すことができないものです。
 郷土料理は、かつて農業と食生活が密接に関わりを持っていた時代に工夫され、発達してきた料理方法といえます。生活の中で食料を生産し、それを食べることが根づいていました。
 こうした料理方法を保全しようとする活動は、今日のわれわれの食生活や農業、環境への見方、考え方を問い直していくことでもあります。同時にまた、地域の環境や第一次産業を保全していくことにもつながります。

●関連情報

  • 農林水産省  大臣官房企画室  調査課
     FAO(国際連合食糧農業機関)の食料需給表作成の手引きに準拠して、「食料需給表」を毎年度作成しています。なお、平成12年3月に平成10年度の値が速報として発表されいますが、確定は同年12月頃となる見込みです。
     TEL: 03-3502-8111(内2428)
     URL:http://www.maff.go.jp/jukyuhyou.html
  • 農林水産省「消費者の部屋」
     〒100-8095  東京都千代田区霞が関1−2−1  
     TEL: 代表  03-3502-8111(内線4871、4872)  
         直通 03-3591-6529(一般相談)  
         直通 03-5512-1115(子ども相談)
     FAX: 03-5512-7651
     e-mail: soudan@mn.maff.go.jp
     URL: http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/HEYA.html
  • 財団法人  食生活情報サービスセンター
     〒103-0006  中央区日本橋富沢町7-14  岡島ビル3階
     TEL: 03-3665-0291
     FAX: 03-3665-0294
     URL: http://www.risfl.or.jp
  • 社団法人  農山漁村文化協会
     季刊「食農教育」を創刊するなど、安全で安心な食生活、多様で特色ある文化 ・伝統、豊かな自然と国土の環境保全、豊かなライフスタイルなど、農山漁村の伝統的な知恵や生活様式を生かした暮らしを見直し、教育活動にも取り入れるなど、日本の第一次産業と農村文化を考えるための情報収集 ・整理などを進めています。
     〒107-8668  港区赤坂7-6-1
     TEL: 03-3585-1141
     FAX: 03-3585-6466
     URL: http://www.ruralnet.or.jp/


■飲みものを買うとき

●目的

  • 気づき:自動販売機が当たり前のように身の回りにあって、日々使っている日本の現状が、世界的には当たり前な状況ではないことを知り、自動販売機のない生活を想像できる
  • 知識:自動販売機による電力消費と、至る所にあることによる日本全体の電力消費との関連を理解する
  • 行動:身の回りの必要なものと必ずしも必要のないものを区別できる視点を持って、行動に反映できる

●背景

 −コンビニエントなライフスタイルを象徴する自販機−
 自動販売機は、現代日本の「豊かさ」を象徴しているといえるのではないでしょうか。いつでも、どこでも、手軽に、好みのものを手に入れることのできる便利な社会を、「豊かさ」として追求してきた反面、飲み終わって投げ捨てられる空き缶の散乱や、常時冷えた/温められた状態を保ったり、ネオンを光らせて存在を示すなど膨大なエネルギーが消費されるなどの負の側面も生み出しています。
 平成11年末現在で、全国に553万7500台、飲料自販機だけでも265万1800台が設置されているというその膨大な数や、諸外国ではあまり見られない非常に高度な機能など、日本の状況は世界の中では特異なものとなっています。

 −自販機に由来する環境問題−
 自動販売機に由来する環境問題としては、空き缶の散乱などごみの問題と、1台当たりで平均的な3〜4人家庭一軒分のエネルギーを消費するというエネルギー問題に大きくは分類することができます。
 ごみ問題に関しては、消費量の増加に伴うごみ処理にかかるコスト増や環境負荷の増大、またアルミやスチール製の缶が自然分解しない素材のためにポイ捨てられた空き缶がまちの至る所に散乱するという景観上の、またマナーとしての問題など、主に現実的に発生している問題への対応が求められています。多くの自治体でポイ捨て禁止条例を制定したり、市民の自主的な清掃活動も含めて散乱ごみの清掃回収を行うなど、対策につとめています。
 一方、自動販売機が消費する大量の電力に関しては、火力発電によるエネルギー生産が地球温暖化問題の原因物質の主要なパートを占める二酸化炭素を大量に排出することや、資源の枯渇性の問題など将来世代におけるさまざまな問題も予測されています。特に飲料自販機の年間消費電力が自動販売機全体の90%を占めることから、業界では飲料自販機の省電力化を環境対策のひとつの柱として位置づけています。平成3年度に飲料自販機の中でも最も普及台数の多い清涼飲料自販機の1台あたりの消費電力を5年間で20%低減するという計画を立て、これを平成8年に達成しています。この後、カップ式コーヒー自販機や牛乳自販機などを含む全ての飲料自販機の消費電力量を、平成13年度までにさらに15%低減する計画へと移行しています。具体的な方策として、エコ ・ベンダーと呼ばれる省エネ型自動販売機などを普及促進しています。エコ ・ベンダーは、エコロジー(環境)とエコノミー(経済的)とベンダー(自販機)を組み合わせた造語で、午前中に機内の飲料を十分に冷やして、夏場(7〜9月)の電力ピーク時の午後1〜4時に冷却運転をストップしても冷温を維持するシステムを確立し、従来型に較べて消費電力を年間10〜15%節約できるとされます。現在、全国各地に約30万台が設置されています。
 これら諸問題の根源には、「持続可能性」というキーワードを考える必要があります。今日のわれわれの社会システムやライフスタイルは持続可能なものといえるでしょうか、また持続可能な発展はあり得るのでしょうか、あるいはどのような発展であれば持続可能性を有するといえるのでしょう。そもそも持続可能な社会像というものは共有されているのでしょうか。

 −何ができるか?−
 全国津々浦々まで普及している自動販売機を一気になくすことは困難ですが、数の制限や、使い方の工夫、技術的な対応等によって、自動販売機に由来する環境への影響を軽減するなど、状況の変化を生み出すことはできます。
 どのような「豊かさ」を求めるか、またそれによって発生する影響とはどのようなものになるかを想像できることが大切といえます。

●発展

○自動販売機由来の環境負荷を軽減するために
 自動販売機に由来する環境負荷について整理し、それぞれの対策について、@制度面での対策、A使い方の工夫など消費者の価値観の問題として、B技術革新などによる対策、といった3つの面から検討してみます。実際に取り組まれている事例については詳しく調べて、また将来的なアイデアなども検討してみるといでしょう。
 例えば、愛知県豊田市では、市が管理する公共施設に設置してあった飲料および菓子類の自動販売機112台のうち、医療施設にある3台をのぞいた109台を、平成11年3月末までに撤去しています。公共施設から自動販売機を撤去することで、市民に環境問題を身近に考えてもらうきっかけとすることを目的としています。
 また、同県刈谷市でも、平成12年度から17年度にかけて実施する市の率先行動のための『市環境保全行動計画  エコアクション刈谷』の中で、「環境負荷の削減に向けた資源、エネルギーの利用抑制」の一環として、「自動販売機の削減並びに省エネルギー型への切り替え」を行うこととしています。これは、「利用内容を精査し、更新時に自動販売機台数の見直しを行いエネルギー消費の少ない機器への変更を図る」ことと、「閉庁、閉館日等自動販売機の利用不用な時間帯は極力停止する」ことによって、平成9年度をベースとして、電気 ・ガス使用量の10%削減を目標として掲げるものです。
 一方、業界側でも環境保全の対策としてさまざまな技術開発を進めています。1999年に実施された「エコプロダクツ1999」(主催:社団法人産業環境管理協会、日本経済新聞社)では、『地球温暖化防止とオゾン層保護』『資源保護』をテーマに、すでに製品化されているものや近い将来に製品化が予測されるものの促進を目的として日本自動販売機工業会が出展されました。主なものをあげると、ヒーターを使用せずに冷却機の排熱によって予備加温し、販売時に電磁加熱器によって瞬時に加温する省エネタイプの『瞬間加熱自動販売機』や、庫内全体を冷却するのではなく、売り上げに応じて販売待機部分のみを冷却する『局部冷却自動販売機』、太陽電池と蓄電池を組み合わせて、夏の昼間などの電力消費ピーク時に商用電力の代わりに太陽光エネルギーによって作動したり、太陽光エネルギーと商用電力の混合によって省エネルギーを図る『ハイブリッド型ソーラー自動販売機』などが紹介されました。

●関連情報



■ノートのえらび方

●目的

  • 気づき:消費という行為に際して、環境への視点を持つことができることに気づく
  • 知識:「グリーン ・コンシューマー」という概念と、その意味について理解する
  • 行動:商品の選択的購買という行動を通じて社会に参加していることを認識し、環境に配慮した消費行動を取れる

●背景

 −グリーン ・コンシューマー活動とは−
 市民の消費者としての側面に注目し、そのあり方が環境に及ぼす影響について考え、問い直すことが、「グリーン ・コンシューマー」活動の主眼となります。直訳すると「緑の消費者」を意味するこの概念は、自然や地球環境のことを考えながら生活する人といったことを意味します。これは、個人の行動というだけでなく、そうした行動を通じて社会に対して積極的に関与するという意味をも併せ持っています。
 この活動は、主婦層などによる日々の買い物だけに限定されるわけではありません。子どもや男性も含めて、誰もがそれぞれの生活の中でしている消費 ・購入という行動を通じて、環境に及ぼす影響を考え、できるだけ負荷をかけない商品やサービスを選んでいくことが、グリーン ・コンシューマー活動の原点といえます。

 −判断基準を形成することが求められる−
 環境教育 ・環境学習としてのグリーン ・コンシューマー活動を考えた場合、どのような消費 ・購入行動を取るか、自分なりの判断基準を形成していくことが重要になります。
 「地球にやさしい」とうたわれている商品が本当に環境によいものなのか。あるいはまた、リサイクルを一生懸命進める一方で使い捨て容器の種類や量を増やす消費型社会が維持される社会のあり方は環境によいことをしていると本当にいえるのか。表面的な宣伝文句に惑わされず、その裏側に何があるのかを見極める「賢い消費者」としての情報分析能力や判断力が求められます。
 商品の選択基準は、環境への配慮だけにあるわけではありません。健康への影響をより重視する向きもあるでしょうし、機能やデザインを重視する場合もあります。また、経済性を重視してより安いものが選ばれることも多いといえます。そうしたときに、何をあきらめて、どのような選択をしたのか、という個人の選択的な行動が問われます。同時に、購買行動を通じて商品やメーカーを支持していくという社会のあり方に対する関与の視点や態度についても強調される必要があります。

 −エコ文具を使った環境教育−
 子どもにとって身近な購買対象物である「文具」を、リサイクルや環境問題を考えるための素材として扱うケースがあります。再生紙からできた学習ノートや、廃物を利用してつくられたボールペンなど、近頃は多くのメーカーが多種多様な品を揃えています。これらの文具は、総称して「エコ文具」と呼ばれています。
 リサイクル活動が盛んになる一方で、回収された資源の再生商品としての用途がなく、倉庫に積まれて放置されているケースも多くなっています。資源として再利用されるものとして回収されたペットボトルなどの資源ごみの行き場がなく、秘かに焼却処分されていたとして問題になった例などもみられます。「リサイクル」という概念には、再生商品を使って循環の輪を回転させるところまで含むべきだという議論もされます。そうした利用も含めた「リサイクル」について理解を深めるための素材として、「エコ文具」は身近でわかりやすいものといえます。
 一方、「エコ文具」を素材に環境教育 ・環境学習を実践する場合、むしろその選択基準をどう判断するかが問題だともいえます。エコマークや再生紙使用マーク、牛乳パック再生紙マークやグリーンマークなど、「環境にやさしい」商品を選ぶ際の目安となる表示がつけられているケースが増えてきています。また、地域によっては環境に配慮した商品をリスト化して配布するケースなども見られます。マークのついた商品を買うこと、リストに選ばれた商品を買うことなどがそれ自体で、ひとつの価値判断といえますが、ではそれらの商品がなぜ環境に配慮しているといえるのか、環境に配慮した商品とはそもそもどのようなものなのか、といった議論についてもしっかりとしておきたいところです。

 −実際の取り組みは−
 ドイツ・デュッセルドルフ市の小学校では、入学時に推奨購入文具のリストを配布し、プラスチック製の定規の代わりに木製の定規、使い捨てのボールペンの代わりに芯が交換可能なものなどを紹介しているといいます。また、兵庫県西宮市のNPO「こども環境活動支援協会」では、回収資源から再生されるリサイクル製品というだけでなく、部品の交換によって長く使えるもの、また焼却時の環境負荷を減らす製品など、さまざまな視点から捉えた「エコ文具」についてその種類や環境への影響について解説するパネルや実物をまとめた「エコ文具セット」を制作しています。エコ文具の種類や特徴、特に環境配慮事項についての解説など、エコ文具を普及するための情報提供という面に加え、リサイクルについての理解を助け、子どもたち自身が自ら選択する力、考える力を育むことを目的に、学習の手助けとなるような解説物として環境教育 ・環境学習に生かすことをも目的としています。

 −自分なりの基準を持つことが大事−
 これらのケースでも重視されているのは、製品選択の基準を「エコ文具」というブランドにゆだねてしまうのではなく、それらの製品が環境に対してどのような影響があり、どこが環境によいのかを理解したうえで判断が下せるような視点を促すことだといえます。

●発展

○買い物ゲームで楽しい環境教育

 −買い物ゲームの主旨−
 沖縄県のNGOである沖縄リサイクル運動市民の会が那覇市内の小学校で実施した、「私たちの生活と地球環境の関わり」を考える特設授業では、買い物から出てくるごみを起点に、何気ない日常の生活と地球環境とのつながりについて意識化させるプログラムとして展開されています。

 −1500円でお買い物−
 プログラムでは、各グループが予算1500円を手に、教室の片隅に設置された模擬スーパーで、レシピをもとにしてカレーライスのための材料と飲み物を買いそろえます。
 子どもたちは互いに相談しあいながら、店先に並んだ肉、野菜、シーフードなどを選んでいく。同じ材料でもバラ売り、発泡スチロール ・トレイにのせられたもの、ビニールに入ったもの、ラップで包まれたものなどが置かれています。また、飲み物は缶、ペットボトル、紙パックが用意されています。

 −お釣りが多いグループが勝ち!−
 模擬スーパーとはいえ、子どもたちはワイワイと楽しく買い物をします。材料が揃ったら、レジで精算し、お釣りが計算されます。最終的に残金の多いグループが勝ち、というルールが立てられていますが、このゲームは精算して残ったお釣りを比べて終了するわけではありません。プログラムにはさらにこの続きがあり、むしろ、ここからがゲームの醍醐味となります。

 −残金が減っていく!−
 各グループは、買ってきた材料の包装を解いて、カレーをつくることになります。このときにごみとして出されることになる発泡トレイやラップ、ビニール袋などを処理しなくてはなりません。
 種類別にごみの量を調べ、このときに配布する「処理料リスト」をもとにそれぞれごみの処理料金を計算し、その分を支払わなくてはならないのです。何気なく買っていたものから出てくる大量のごみと、それらを処理するために差し引かれてみるみる減っていく残金は、買い物を通して買わされているごみの存在を強烈に実感することとなるでしょう。また、処理料金を計算しながらごみを触って、ラップに硬いものと柔らかいものの別があることに気づく子ども出てくることなども期待されます。

 −実感が行動へと結びつく−
 ゲームを通して、何気ない毎日の暮らしが地球環境へとつながっていることを実感した上で、ごみを減らす買い物の工夫について考え、話し合っていく展開へとつなげていきます。「地球にやさしく」とか「環境を大切に」、あるいは「グリーン ・コンシューマーになろう!」など、標語のように言葉にすることは簡単でも、何のためにそうするのか実感を持ち得ないと実際の行動には結びつかないといえるでしょう。

●関連情報

  • グリーン購入ネットワーク
     〒150-0001  渋谷区神宮前5-53-67  コスモス青山 B2F
     TEL: 03-3406-5155
     URL:http://www.wnn.or.jp/wnn-eco/gpn/
     ※なお、グリーン購入ネットワークでは、小学生向けに制作したワークブック「やってみよう!
     グリーン購入」も公開しています(URL: http://gpn.wnn.or.jp/gpn/moshikomi/workbook.html)。
  • 国民生活センター
     〒108-8602  港区高輪3-13-22
     TEL: 03-3443-8668
     FAX: 03-3443-9005
  • (財)消費者教育支援センター
     http://www1e.mesh.ne.jp/nice/index.html
  • 財団法人  日本環境協会  エコマーク事務局
     〒105-0003  港区西新橋1-7-2  虎の門高木ビル7階
     TEL: 03-3508-2653
     FAX: 03-3508-2656
     URL: http://www.jeas.or.jp/ecomark/
     子どもが直接問い合わせる場合は、下記「こども環境相談室」をご利用ください。
     TEL: 03-3508-2658
     FAX: 03-3508-2570 e-mail: ecobox@e.email.ne.jp
  • こども環境活動支援協会(LEAF)
     〒662-0855  兵庫県西宮市江上町3-40  西宮市環境学習ルーム内
     TEL: 0798-35-3804
     FAX: 0798-35-4208
     URL: http://www2.ocn.ne.jp/~leaf-j/
  • 沖縄リサイクル運動市民の会
     〒903-0805  沖縄県那覇市首里鳥掘町4-44-1
     TEL:098-886-3037
     FAX: 098-886-3001
     URL: http://www.ryucom.ne.jp/users/kuru2/


■包みはごみ?

●目的

  • 気づき:過剰な容器包装が大量のごみを生み出す一因となっていることに気づく
  • 知識:さまざまな容器包装材が使われるようになった歴史的背景や目的、その使用が廃棄物量の変化に与える影響について理解する
  • 行動:暮らしの中でごみを減らす工夫を選択できる

●背景

 −容器包装材の目的−
 容器包装材は、ひとまとまりの商品としての区分けや、商品の保護や流通、消費者にとっての利便性、また表示や広告媒体としての機能などさまざまな目的によって使用されています。素材の特性やコストなどが選択基準となっていましたが、近年には環境への負荷も考慮されるようになってきています。

 −ごみの6割を占める容器包装ごみ−
 最近の買い物では、ひと頃に較べてかなり簡易包装が普及してきましたが、それでも何重もの容器包装材にくるまれた商品や、買い物ごとにビニール袋や紙袋等を配る店は依然多いようです。
 一般廃棄物の中で容器包装ごみが占める割合は、乾重量比で4分の1強、容積比では6割弱にもなります。ごみとして捨てられる容器包装材の排出量を減らせば、ごみはてきめんに減ること、また技術的には再生資源としての活用が比較的容易であることから、容器包装ごみの削減とリサイクルが、ごみ減量化の大きな柱として位置づけられています。こうした背景を受けて、平成9年4月に市町村が分別収集を担い、事業者は再商品化に努めて容器包装ごみの削減 ・リサイクルを促進するという主旨の「容器包装に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」が一部施行し、さらに平成12年4月に完全実施しました。

 −削減の方策−
 容器包装材の削減策には、リデュース ・リユースとしての対策と、リサイクルの観点からの対策に分けて整理すると捉えやすいといえます。
 リデュース ・リユース対策には、

  • 無包装や簡易包装などの採用、
  • 再充填と量り売りやデポジット制の導入、容器仕様の統一、
  • 部品の再使用や、容器包装材自体の軽量化や薄層化、
  • 容積の増量

などが、また、 リサイクル対策としては、

  • 同質素材や剥離しやすい素材の使用、
  • リサイクルとしての用途が市場として発達しているか、または見込みのある素材の使用、
  • 他の用途がない最終消費段階の素材の使用、

などの取り組みがあげられます。
 この他、環境教育や消費者教育によって、簡易包装を選んだり、不要な容器包装材を使わないなど、生活習慣を見直すための意識啓発なども盛んに行われています。

 −なぜ減らすのか−
 容器包装ごみが増えている背景には、流通規模の拡大に伴い、安価で安定的な品質のプラスチック製の容器包装材が大量に生産されていること、またより高い利便性の追求や人目を引くデザインによって商品価値を高めようと、機能性やデザインに工夫を凝らした新しい容器包装材が日夜開発されていることなど、いくつかの要因が挙げられます。
 容器包装ごみを減らすことは、単に最終処分法の残余年数が逼迫しているためにごみを減らすという現実的な目的を実現するための一方策というだけでなく、生産側の思惑によって踊らされ、買わされる存在から脱却して、生活のあり方や生き方を自らの意思で選び取っていくということでもあります。こうした、「賢い消費」のあり方については、「(3−3)ノートのはなし」で扱っています。

●発展

○飲料容器のリサイクルを考える視点

 −さまざまな素材の飲料容器−
 飲料容器には、ガラスびんやスチールおよびアルミ缶、ペットボトル、紙容器などがあります。それぞれ容器としての異なる特性を持ち、また製造時の資源やエネルギー消費、流通にかかるコストとエネルギー、使用後の廃棄やリサイクルなどを通じて環境に及ぼす影響にも違いがあります。環境への負荷軽減のための現実的な対策を取っていくには、これらの違いを総合的に評価していくことが必要となります。なお、飲料容器のリサイクルについては、「リサイクルプラザ」でもイラスト付きで解説しています。併せてご覧下さい。

 −アルミ缶のリサイクル−
 アルミ缶のリサイクルは、CAN TO CANといわれ、回収された空き缶が再び新しいアルミ缶へと再生されます。金属資源としてのアルミニウムは、地殻内にもっとも多く存在する元素のひとつでもあり、稀少性はありませんが、ボーキサイト鉱石からアルミを精錬するのに膨大なエネルギーを消費します。アルミ缶をリサイクルすれば、ボーキサイトから製造するエネルギーの約33分の1の消費量でアルミ缶が再生できます。こうしたエネルギーの節約という観点から、主にアルミ缶のリサイクルは促進されています。もちろん、それ以外にもあふれ出るごみの減量等、リサイクルを推進する理由はあります。

 −ガラスのリサイクル−
 ガラスびんには、回収後洗浄して再度中身を充填するリターナブルびん(リユース)と、回収後に破砕してカレットと呼ばれる再生ガラスの原料に戻して新しいびんを成形するワンウェイびん(リサイクル)の2種類があります。
 ガラスは原料としての稀少性もそれほど高くはなく、また再生びんをカレットから再生する製造時のエネルギー節約もそれほど大きくはありません。くずガラスの成分も土壌成分に近く、廃棄による環境影響はそれほど深刻ではないと考えられています。こうした場合、コストやエネルギーをかけて分別回収
・リサイクルを進めるよりも、廃棄時の影響に十分配慮したデザイン等を工夫した上で積極的に捨てるという処分を選択肢のひとつに取り入れてもよいのではとの意見もあります。なお、くずガラスの用途として、近年では、土木材料や建築材料等、びん以外の再利用も増えています。

 −ペットボトルのリサイクル−
 ペットボトルは、軽くて耐久性があり、ガス遮蔽性にすぐれ、また添加剤を使わないため食品衛生上もきわめて安全などの材量特性を持っています。消費者にとっても、軽くてフタができるため持ち運びに便利などの利点によって急速に普及しました。容器包装リサイクル法を契機にリサイクル率は向上しているものの、生産量の伸びが大きく上回り、結果ごみとして廃棄される量は増え続け、莫大なものとなっています。しかも、リサイクルのために回収されたものの、使途が限られるため倉庫に積まれたままあふれているなど、問題も多いのが現状です。
 ペットボトルは、枯渇性資源である石油を原料として合成されています。したがって、資源を節約する意味は大きいといえます。しかし、リサイクルによってペットボトルとして再生されるわけではなく、繊維製品やシート製品、非食品用のボトル製品など、別の形に加工されています。こうした用途よりも、コークスの代替品として製鉄高炉中の鉄鉱石の還元剤として利用する方がエネルギー的に有効といって意見などもあります。
 ペットボトルをリサイクルするのは、現在のところごみの減量が最大の目的といえます。しかし、根本的な解決には、3Rの概念の通りリデュース ・リユースが先にあってのリサイクルであるべきといえます。ごみがあふれて困るという強迫的理由によって進めざるを得ないリサイクルは、いわば次善の策といえるでしょう。

●関連情報

  • 空き缶処理対策協会  スチール缶リサイクル相談室
     〒104-0061  中央区銀座7-16-3  日鐵木挽ビル1F
     TEL: 03-5550-9431
     FAX: 03-5550-9435
     e-mail: steelcan@rits.or.jp
     URL: http://www.rits.or.jp/steelcan/
     アルミ缶リサイクル協会
     〒107-0052  港区赤坂2-13-13  アープセタービル3F
     TEL: 03-3582-9755
     FAX: 03-3505-1750
     URL: http://www.alumi-can.or.jp/
  • ガラスびんリサイクル協会
     〒105-0004  港区新橋3-1-9  日本ガラス工業センター2F
     TEL: 03-3507-7191
     FAX: 03-3507-7193
  • PETボトルリサイクル推進協議会
     〒103-0012  中央区日本橋掘留町1-4-3  日本橋MIビル2F
     TEL: 03-3662-7591
     FAX: 03-5623-2885
     URL: http://www.petbottle-rec.gr.jp/
  • 発泡スチロール再資源化協会
     〒101-0025  千代田区神田佐久間町2-20  翔和秋葉原ビル6F
     TEL: 03-3861-9046
     FAX: 03-3861-0096
     URL: http://www.jepsra.gr.jp/index.html
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